ボクたちの日本語基準

●新聞的な基準について

ボクたちが日本語表現をする時の基準は、説明的な日本語を作る場合は、新聞表現を基準にしています。その日本語表現は、現代日本語の一つの成果と、元新聞記者のボクたちの代表者は考えています。
ボクたちが認識している新聞の日本語は、「中学3年生が理解できる日本語」です。その用語は、国が定める日本語の指針にも反映されています。日本の新聞は、日本語のルールを作り出し、変える役割を担って来ました。その「新聞用語」が、ボクたちの日本語作成の基準です。
 もちろんボクたちは、新聞記事のように日本語を書いている訳ではありません。5W1Hを明確にする新聞記事の基本ルール、用語の意味や用法を尊重しながら、ボクたちの日本語づくりに臨んでいます。

●ボクたち独自の用語基準

ボクたちは、ボクたちの日本語研究過程で変えることが望ましいと判断した用語や用法について、一定の基準を独自に設けて、使用規則を作ることにしました。これは、順次追加や変更がなされるものです。
2018年8月1日現在の該当用語は、以下のとおりです。

用 語 よみがな 未使用語 適   用
日本
Japan
ニホン
Nihon
「ニッポン」と読む固有名詞を除いて、「ニホン」と読む。
日本語
Japanese
ニホンゴ
Nihongo
明治時代以降の「日本語」を指す。
江戸時代までは「和語」及び「漢語」とする。
地域のことば
dialect
チイキノコトバ
Chiiki no Kotoba
方言 文献で使用している場合を除いて、「方言」を使用しない。「~弁」は使用しない。
ケースに応じて「~地方のことば」とすることがある。
言語
language
ゲンゴ Gengo
(ゴンゴ Gongo)
languageの対応語として他語は用いない。
「言語道断(ごんごどうだん)」は、例外の読みとする。
ことば
word
コトバ
Kotoba
(言葉) wordの対応語として、他語は基本的に用いない(言辞、言句、文言等)。
「言葉」という表記は、基本的に使用しない。
文化
culture
ブンカ
Bunka
cultureの対応語として、基本は農耕由来(田園性)の様式、習慣、スタイルなどを指す。「文章化する」の「文化」は尊重する。
(文明)
civilization
(ブンメイ)
(Bunmei)
civilizationの対応語として、基本は都市的様式、習慣、スタイルなどを指す。できる限り使用を避け、「市民様式」等に置き換える。
地方
district
チホウ
Chihou
行政上の規定を除いて、一定のエリアを指す用語とする。いわゆる「田舎(いなか)」を意味しない(東京地方、関西地方、東北地方等)。
(社会)
society
(シャカイ)
(Shakai)
societyの対応語として、基本は「人の繋がり」に重心を置いた総体を指す。抽象的になるケースでは、「社会的繋がり」「地域の繋がり」等とする。
パブリック パブリック
Public
(公共) 官公庁用語化している「公共」は、publicの対応語としてふさわしくない。「公共」が不可避の場合を除いて「パブリック(開放的な)」を用いる。
コミュニティー コミュニティー
Community
共同体 「近しい人々の集まり」を表すことばとして、かつては「村」を用いた。「共有」の有無や濃淡が「社会」とのちがいだが、適切な訳語がない。

human
ヒト
Hito
(人間) 「人間」は、「人間関係」のように「社会」に対応させて使用することがある。「人間関係」と「社会的関係」はほぼ同義。
(個人)
individual
「公」に対する「個人的な~」のようなニュアンスを避けるため、できる限り「一人ひとり」「各人」等を用いる。individual(人権を持つ一人)の語彙を尊重する。
共通認識
common sense
キョウツウニンシキ
Kyoustuuninshiki
常識 特定の人々の集まりでのみ通用する「常識」は、その集団の内側にいるケース、外側から見たケース共に、「共通認識」とする。
避難民
refugee
ヒナンミン
Hinanmin
難民 「難民」は、「難しい民」の印象を与える。本来は「避難民」を簡略化した日本語のため、原語を使用する。

私たちは、ことばによる暴力と差別に反対します。